「シリウス文明がやってくる」 Kagari ∞ Kazuki より転載
2008年01月13日
「頑張って」 よりも 「リラックスして」
誰かを応援したり、慰めたり、励まそうとするときには、「頑張って」と声を掛けることが多いでしょう。
しかし、「頑張る」という発想は、これからの時代には相応しくないと想われます。
「頑張る」を一般的には、困難にめげずに我慢して最後までやり通すという意味として想われていますから、そのように声を掛けたり、自分自身に発破をかけるのでしょう。
この言葉の本来の意味としては、自分の考え・意志をどこまでも貫こうとする、我を張る、というところから、頑なに突っ張る頑なに張り詰めるという印象のほうが強いと想われます。
精神的に鬱を抱えた方に対して「頑張って」と声を掛けることが禁句だということは、おわかり頂けますでしょうか。
「頑張って」という言葉を、かえって、強迫観念のように受け取ってしまうことがあるからです。
それが例え、「共に頑張ろう」だとしても、そこに連帯感は生まれるかもしれませんが、頑なに突っ張ったり、頑なに張り詰めたりする印象がある以上は、最高の結果は発揮できないでしょう。
江戸時代初期の頃、剣豪の宮本武蔵さんが、自らの剣の道に行き詰まりを感じていた矢先に、島原遊郭の吉野太夫さんを訪れたときに聞かされ、目からウロコが落ちたかのように悟らされた有名な例え話があります。
琵琶の弦も、張り詰めたままでは良い響きの音が出ませんし、張り詰めたままでいたのでは、いつか、プツリと切れてしまうでしょう。弦の張りを少し緩ませ、余裕を持たせることにより、美しい音色を奏で続けるのです、というお話しです。
物事には、精神的にも余裕が必要です。
英語圏の国々では、「頑張れ」にあたる言葉は無いそうで、誰かを応援したり励ましたりするときには、
Do your best!(最善を尽くして!)
自分自身に対しては、
Do my best!(最善を尽くします!)
などと言うのが基本のようです。
人は、楽観的で、リラックスしているときのほうが、最良のコンディションを持って、最大の力を発揮することができるといいます。
そのことを想いましたら、「頑張って」ではなく、「リラックスして」と声を掛けてあげたり、自分自身を鼓舞したりするほうが、他人にとっても、自分にとっても、大切にするという意味において優しいのではないでしょうか。
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